鹿児島ソーラーパネル持ち帰りWS、無事終了。今回は4名さまがエネルギーシフト!


ソーラーオフグリッド鹿児島

お持ち帰りですか? はい、お持ち帰りです!

昨日 12/8は、鹿児島電力として先生役をさせていただいた、100Wソーラーシステムを持って帰れる、ソーラーオフグリッドワークショップ(鹿児島開催)でしたよ。
寒い中、参加者のみなさまおつかれさまでした!

はじめはいつもの、あっという間の座学から。
毎回、直流と交流の説明が2分で終わる。

こういう風に中学校で教わってたら、誰も理科に苦手意識を持たないんじゃなかろうか??
ソーラーオフグリッド鹿児島
ソーラーオフグリッド鹿児島
注文オプションがたくさん。
ひとつずつ、使い方と組み合わせ方を理解しながら、慣れないハンダ付けでコツコツつなげていく。

基本は 100Wのパネル115Ahディープサイクルバッテリー10Aのチャージコントローラー4連シガーソケットが基本セット。もちろんお持ち帰りになれますよ。

このセットは、ノートパソコンと、LED照明いくつかと、携帯やタブレットなどモバイル機器の電力を賄うことを目的としていて、参加者さんによっては パネルを200Wにしたり、コントローラーを液晶付き20Aに変えたり、事前のやりとりで説明しながら、自分に必要な組み合わせを探していきます。

オフグリッドはうれしい。

ソーラーオフグリッド鹿児島

大体、平均5時間かかる長丁場なんだけど、はじめてシステムが完成して、通電が確認できたときの喜びはひとしお。
お写真は、主催のセイタさんが、iPadをオフグリッドではじめて充電して、喜んでるところ。
ソーラーオフグリッド鹿児島
夜になれば、照明系のオプションが一層映える。

これはSharpの銭形LED(そういう商品名なの)6Wを点灯させてみたところ。だいたいみなさんビックリするくらい明るい。

あたりが暗くなったころ、爆発も感電も起きずに無事終了。

ソーラーオフグリッド鹿児島

途中でお昼御飯にピザを食べに行って、なぜか2時間かかったりして、実質の作業時間は全部で6時間半くらいでした!
はやい人は3時間くらい。オプションの量によって作業量も変わりますよ。

考察:倫理的に、人が使えるエネルギーの総量は?

kagoshima_solar02

そもそも、100Vの家庭用コンセントってなんなんでしょう。
コンセントに限らず、規格というのは、「頭を使わなくて済む・確認しなくて済む」ためにあると思うのです。

何の電気的知識がなくて、コンセントプラグをさせば、ほら使えるよ。
僕は、高圧洗浄機を持ってるよ、ホットカーペットを持ってるよ、プラズマテレビを持ってるよ。というものがたくさんある。

だけど、その機器が内部で、何ボルト使ってるのか?1年で何ワット使ってるのか?
そういうことって、あまり意識が向かないですよね。

そして不思議なことに、今の世の中にある家電や、電気機器は、
「誰でも潤沢に電気を使うことができる」前提で設計されています。

検索もそう、ウェブという文化自体もそう。

でも、そんなことはおそらく本当ならば、人類史でイレギュラーな出来事であって、
ソーラーだろうが、風力だろうが、水力だろうが、未来永劫、潤沢に使えるエネルギーなんてありえません。

もうそういうことに、きちんと目を向ける時代になったじゃないか?って、わたくし思うんですね。

潤沢じゃない電気の中で、自分たちは何を選ぶのか。
だから敢えて、自分の使えるエネルギー量を100W前後で選び直して、もう一回確認してみませんか?という観点が、鹿児島電力のテンダーオフグリッドモデルです。

だからまず、100Vの規格を手放します。どうしても必要であれば、また手に取ればいいだけのことですよね。

人間のチカラ

kagoshima-solar01
馬力って、電気換算すると、1馬力が 750ワットと言われています。
(ちなみに1頭の馬は4馬力ある=3000ワット。へんなの)

そこで、人間の力を電気換算すると、長時間出せるのは、100ワットくらいとのこと。
そしたら、やっぱり100ワット、つまり自分の生み出せる力の中で、どう暮らしをデザインしていくか、という哲学が必要だと思うのでした。

わたくしは、自分たちが電気的には100ワットしか生産できない生き物であることを、自覚して生活したい。

風力発電は、昨年だけで60万羽のコウモリを殺してしまったようです。
太陽光発電は、地面が受け取るはずの熱量を奪い、
水力発電は地形を変えてしまいます。

ソーラーオフグリッドが、エネルギー問題への免罪符になってはいけません。
これはシフトの過程として通る道であって、実は今すでに脈々と始まっている「潤沢ではないエネルギー」という時代への架け橋なのでした。

足りないのはエネルギーではなくて、哲学であって、
成長することが老いることと同時進行なように、
エネルギー開発は、エネルギー先細りと同時進行なのです。

ソーラーオフグリッド鹿児島

というわけで、難しいことも考えたけど、ワークショップは和やかに楽しくまとまりました。
みんなの疲れ具合と、時間との関係で、こういう哲学のところをあんまり話せなかったけど、マインドは伝わったはず!たぶん。

最後はなぜか、高いところから記念写真をパチリ。みなさま、良いオフグリッドライフを!

次回のワークショップは、12/21に福岡・糸島、Cafe Waltzにて。見学コースもありますよ。ではまたまた!

ソーラーワークショップや、鹿児島電力へのお問合せ、ご依頼、取材などは、こちらのお問い合せフォームからお願いしますね。


この記事の著者

テンダー

ヨホホ研究所主宰の、泣く子も訛る社会派ヒッピー。 電気関係、ウェブ、文章表現、写真、選挙、先住民技術、などが研究対象。 2016年のテーマは、持続可能性の本を書くことと、アウトフローを極めて綺麗にすること。