「核と鎮魂」というシンポジウムに登壇してきた、その感想。
みなさま、大変ご無沙汰してます。すっかりダイナミックラボにかかりっきりで、ヨホ研の更新はとんとご無沙汰しておりました。
はてさて、そんなわたくしテンダー、さる12/9に京都にて核問題のシンポジウムに登壇して来ましたよ。
(当日、すごいたくさんの知人友人が来てくれました。ありがとう! お客さんの1割以上友人だったかも)
※長丁場だったので長い説明が続きますが、テンダーパートだけ興味のある方はずずいとスクロールして、下の方にお進みください。
核と鎮魂
「核と鎮魂」というタイトルがなんというか、どぎついというか、まあ考えるものがあるんだけど、
この会はそもそも、アミタ株式会社会長であり、信頼資本財団の理事長である熊野英介さんと、作家の田口ランディさんの声がけによって始まったらしい。
4部構成で、初めの1部は「核は鎮魂出来るのか? ~核の鎮魂方法」と題して、
モデレーター:東北大学名誉教授 北村 正晴
プレゼンター:原子力発電環境整備機構 理事 梅木 博之
パネリスト:
札幌オオドオリ大学 授業コーディネーター 大浦 宏照
金沢大学教授 文学・環境学会 代表 結城 正美
資源エネルギー庁 放射性廃棄物対策技術室長兼広報室長 吉村 一元
電気事業連合会 最終処分推進本部長代理 田村 亨
という、電事連にNUMOに経産省と、そうそうたる面々から始まりました。
写真がないのだけど、プレゼンはNUMO広報用の資料映像を再生する、という感じ。
特に面白くもなく発見もなく、という印象。
それと、この日は「核の最終処分は地層処分に限らない」という前提があったはずなのだけど、北村さんは
「今日は地層処分の話なので、、、」という趣旨のことをはっきり言っておられました。
なんだかなぁ。
結城さんは優しい感じで電事連の方に噛み付いておられましたけど、電事連の方は適当に話を逸らしつつのらりくらり。
2部 基調鼎談「“国家や人間の尊厳”から“生命の尊厳”へ」
2部は、
東京農工大学 名誉教授 堀尾 正靱
東北大学 名誉教授 石田 秀輝
のお二方がそれぞれ登壇。
お二人とも、話を聞いていると核にも地層処分にも反対してる、というようす。
石田さんは鹿児島の沖永良部で適正技術的な暮らしをしているそうなので、一度会いに行きたいなぁ。
堀尾さんとは閉会後、磁場熱分解炉という不思議な装置の話で盛り上がりました。
3部「真に鎮魂するものは何か?」
モデレーター:
作家 田口 ランディパネリスト:
建築家/大阪市立大学大学院教授 宮本 佳明
医師/東京大学医学部付属病院 循環器内科 助教 稲葉 俊郎
とのことで、「鎮魂」という言葉に付随する世界の話をしていました、多分。
多分というのは聞いてるうちにもうなんか疲れちゃって、途中で外に出てしまいました。
考え方は人それぞれでいいとは思うけど、
福島第一原発の鎮魂とか、核の事故への鎮魂がないとか、そういう話で、
人間が運用を間違えて広範な被害を生んじゃってるものを鎮魂する、ってなんなんだ?
例えばスペースシャトルが離陸失敗して爆発した時に、乗組員の鎮魂はするかもしれないけど、スペースシャトルの鎮魂もしないし、発射台の鎮魂もしないと思うんだよね。失敗したのは、失敗した理由があるからで自分たちを超越した未知なる何かのせいとは考えない。
川が氾濫した、火山が爆発した、そういう時にはそれにまつわる精霊なり神の鎮魂はするかもしれないけど、原発は精霊でも神でもないじゃん。
すごいミスリードだなあ、とも思うし、人間発端の話を核に置き換えた上で鎮魂(=アンコントローラブル)の話にすり替えるのって、全く賛同しません。やるんだったら、佐藤栄佐久とか正力松太郎の鎮魂とかさ、そういうのだったらまだわかるけど。
多分イベントタイトルの「鎮魂」は記号的に使われたものであって、別に鎮魂の意味とか歴史とか、そういうことじゃないと私は思ってたんだけど、3部に関しては、、あ、本気でそういう話しちゃうの?? という感想。
まあでも3部が良かったって人もいるみたいだから、やっぱり人それぞれですな!
4部「鎮魂の先にある未来」
モデレーター:女優 木内みどり
パネリスト :
GIFTED AGENT株式会社 代表取締役CEO 河崎 純真
合資会社 番 TSUGAI 取締役 宍戸 慈
ヨホホ研究所 主宰 テンダー
というわけでいよいよ4部になりました。
川崎さんは10代で起業したITベンチャー社長さん。ブロックチェーンの話で面白くなりそうだったんだけど、持ち時間が短く途中まで。
宍戸さんは福島で被爆し、チェルノブイリに同世代の母親を見に行った話。私の中ではこの日で一番素晴らしい話でした。
そしてそして、いよいよわたくし。
10分の持ち時間じゃ無理だよ!って言いまくってたら、モデレーターの木内さんがご自身の持ち時間を10分くれました。ありがたや!
ひとまず動画にお付き合いくださいませ。(音量が平均化されてないので注意!)
いやー、今回もはっきり言ったなー(遠い目)。
地声で話してるのは当日、ただ単に会場の音響機材が良くなくて(ワイアレスマイクがたびたび途切れてて、みんな話しづらそうだった)、それを避けるためだったんだけど、電気使用拒否の安いパフォーマンスと受け取られた気がしなくもない。
まあもういいけど。
ちなみに、今回の登壇は引き受けるかどうかも含め、ものすごい悩んだ。
なんだかんだで地層処分の話に持ってく片棒を担ぐことになりそうだし、そもそも熊野さんと知り合いでもないし、こちとらヒッピー、経済人ってだけで警戒しちゃうぜ!
てな感じだったんだけど、この場にわたくしの登壇を推薦してくれた映像作家の丹下紘希さんとかなり長い時間話をして、よしいっちょやってやろう、という気持ちになった。(丹下さんのことはまた今度詳しく)
今回の登壇については色々変則的で、
・10万年という時間の前では、「科学」と言えば言うほど非科学的になる=現代人の科学は10万年よりも短い時間のことしかおそらく語れない
・だから、専門家かどうかはあまり重要ではない(全員わかってないし、全員推測で話してる)
・つまり、科学的かどうかは話の決め手に全くならない
というルールに気づけたかどうかだと思う。多分事業者側はそれにまだ気づいてないんだと思う。
そのうえでさらに「鎮魂トラップ(霊的な話に昇華しちゃう罠)」があったんだけど、それもまあ、お客さんはあんまり望んでない様子だった。感想文を見ると、具体的な話をしたい人が多そうだった。
んで半日観察するに、場における希少性が「情熱と誠実さ」だと思ったのね。さらに先住民技術をプレゼン中に伝承して、話に一貫性を付与した。
社会的証明(みんなが思っているものが正しいとされる集団心理)は多分、核と地層処分に反対。だから追い風。
権威はそこら中に溢れていた(登壇者の肩書きをごらんよ!)し、私にはないので役に立たない。
と判断して、こういうプレゼンになりました。
それを、左脳に拒否されないように、脳に拒否されない言葉で話す。
反省点もたくさんあるけど、まあひとまず役割は達成したのかな、とも思います。
この後、私のプレゼンが終わった後に、ある登壇者から個人を攻撃するような一幕があって、とっても残念でした。
私が場を席巻しすぎることをためらって、途中まで止めなかった(止めるのは主催の役目だろう、とも思った)んだけど、エスカレートして来たので、割って入って止めた。
いやー、核問題って本当に大変!
ひとまずみなさま、お疲れ様でした!