冬でもお湯出てハッピーライフ。ソーラー温水器を直したよ!


ソーラー温水器を直したよ

どん!
てー庵に引っ越した時からずっと気になっている、屋根の上にあったソーラー温水器。
冬でも40度、夏だと70度を超えるお湯を、延々と日照だけで作り続けるツワモノだ!

ソーラー温水器の仕組み

[仕組みは簡単。温かいお湯は常に上に行くので、上には貯蔵用断熱タンクがある。下側に黒くて日光で温まるヒートパネルがある。]

実はわたくし、温水器には長年の憧れがあって、引っ越し早々、
「ひゃっほう!お湯でちゃうの?でちゃうの?」
蛇口をひねってみたけれど、
待てど暮らせどお湯は出ず、
代わりに雨どいからポタポタと水が出るばかりでござんした。

ありゃまあ、これは水漏れ故障だな、と。
壊れていたなら直さないことには問屋が卸さないわけで、
むしろ問屋に下ろしてほしいくらい、とっても重たいソーラー温水器(推定100kg)、

ひいこら言いながら、
ひとりで4メートルの瓦屋根から下ろしましたとさ!
(良い子はマネしてはいけません)

ソーラー温水器を直す

ソーラー温水器を直したよ

というわけで、母屋裏の崖へ移設

何しろてー庵の瓦も梁も、結構ボロボロ。このまま水が満タンで300kgを超えるような重たいものを、屋根に載っけとくのはリスキーすぎる、との判断です。

そして直そうと思っていろいろ調べたり、人に聞いたりしてみると、そもそもどこが壊れてるかも、直るかどうかも怪しいし、さらにはゴム配管の中で温まったお湯で体が痒くなる説があったりで、長年の憧れはどこへやら、ちょっぴり疑心暗鬼モードです。

なので、しっかりした架台を作るのは一旦保留。崖に丸太を敷いて簡単な底上げをして、気持ちだけでも湿気対策。
その後、故障箇所をあれこれ調べてみると、、、

ソーラー温水器を直したよ

ややや、キサマだなー!
タンクとヒートパネルをつなぐゴムホースが劣化してやぶれかぶれ。
4本中2本が穴開きだったので、換えの部品を調べてみると、

ソーラー温水器、換えのホース

あらお高い!

なんと、たかだか 28cmばかしのホースが一本2500円ほど!
ただしこのホースにはヒミツがあって、なんと内径が両端で違うのです。
タンク側が 32mm、ヒートパネル側が 25mm。

うーん。困ったぞ。というのも、

 1.80度くらいまで耐熱があって、
 2.2500円より安くて、
 3.全長280mmより長くて
 4.内径が32mmあるもの

なんて、
あるかー!
半ばあきらめながらあれやれこれや探していたら、、、

ソーラー温水器用の代替ホース

あったー!!!

モノタロウのラジエーターホース。全長280mm、内径32mm、お値段889円!
車のラジエーターホースなら高温にも耐えられるはず。良いですぞー!

というわけで、締め付けバンドで取り付けてみた。

ソーラー温水器を直したよ

ピッタリ。
内径の7mmの差も気にせず締め付けてみたら、あら不思議。水も漏らずにジャストフィット。

(当初は接続部を作るために、HTの塩ビ管を焚き火で炙って棒でこねくり回して太くしたり、いろいろやってみたけど、そもそもいらなかった!)

ソーラー温水器を直したよ

続いてこちら、修繕箇所その2。
本来ならばボールタップ(フロート)があるところ。
フロートが経年変化で木端微塵だったので、一旦取り外した図。

ソーラー温水器の仕組み

ボールタップはなんと、電気も使わずに水位に応じて蓋をしてくれるスグレモノ。

ないと困っちゃうので、市販品のボールタップを取り付け。ねじ径が合わないので、自己融着テープで抱き合わせた。

ボールタップ
[こういうの。ホームセンターの水回りコーナーで 600円くらい]

そしてそして、屋根から裏の崖に移動させたことにより、配管であるポリエチレン管の長さが足りなくなったので、てー庵そばにある、謎の無人建材販売所にあるポリエチレン管を、投げ銭で買ってきた。

ソーラー温水器を直したよ

たぶん10メートル分くらいある。
その他、二連梯子やステンレスのテーブルとか、トラックシートとか、いっぱい買ってきた(投げ銭で)。

これをつないで、なんとか伸ばす。
古いタイプの規格なので、コアとPリングという部品が必要になるんだけど、

Pリングとコア

元からついていた部品を流用しようとしたら、すっかり経年変化でダメになってて、金属のコアは砕けるわ、Pリングもすぐに割れるわで、なかなか大変。

結局、割れたコアは我慢して使い、Pリングは自己融着テープの融着力を信じてシールとして使用
それで漏らないからとりあえずオッケーとしよう。
(ちなみに、一般にはPリングの単体販売がなく、もし買うとしたらコネクタ部分一式。800円くらいする!)

てなわけで修理完了!
あれやこれやで構想から1年半かかったけど、
その結果・・・

ソーラー温水器のシャワー

シャワーが出る!!!
あったかい!

なんと、2月中旬にも関わらず、晴れの日にはお風呂として成立するくらいあったかい。(ただしアツアツではない)。
今までお風呂は薪で炊いていたので、これで薪使用量の大幅セーブだ!

てー庵の水は山水のため、冬は失神しそうなほどに冷たくなる。
だけど、朝起きた時にも冷水ではない水が出るので、洗い物がらくちん!

うーん、タダの温水器ですさまじい恩恵だ。
修理に使った材料費は、ラジエーターホース4本+締め付け金具、ボールタップで締めて5000円ほど。

温水器内部もいろいろ見てみたけど、基本的にはダメにならなさそうな構造だったよ。

錆びでガワがボロボロになる → 紫外線で発泡スチロールがダメになる、ということが起きない限り、ボールタップとホースを交換しながらずっと使えそう。

ソーラー温水器が来て、てー庵はこうなった!

てー庵の水システム

というわけで、てー庵の水システム。
水源が、おそらくてー庵から15メートルくらい上にある(専門用語で言うところの、てー抜15M)。そこから簡単な砂取を経て、てー抜8Mの貯水タンクへ。

そしてタンクからてー庵に入り、さらに4メートルくらい上がってソーラー温水器に入るのだけど、サイフォンの原理的に、てー抜8Mまでは上がるため、結局のところ、水源から温水器を経てお風呂に入るまで一切のポンプアップなし。電気使用なし。

うーん、素晴らしい。

というわけで、てー庵はお湯が出るようになりました!

ちなみに温水器を自作する人もたくさんいるんだけど、壊れた温水器って実のところ、いくらでも捨てられてるんだよね。
うちのそばの建材無人販売所にも、ヒーターパネルはあと3セットありました。

直して使えるものがあるなら、自作よりもそっちの方がいい、とわたくし考えているので、今回は修理路線。
温水器修理、おススメですぞー!!!

つづく!


この記事の著者

テンダー

ヨホホ研究所主宰の、泣く子も訛る社会派ヒッピー。 電気関係、ウェブ、文章表現、写真、選挙、先住民技術、などが研究対象。 2016年のテーマは、持続可能性の本を書くことと、アウトフローを極めて綺麗にすること。