脱facebook!あなたを売らないSNS&チャット4選と、チャットサービス『Gliph』の設定方法
2015年1月1日付けで、プライバシーポリシーの変わるfacebook。
今までとってもお世話になったし、楽しい事もたくさんあったけれど、常々情報流出のリスクを気にしなくてはいけないのと、自動で提示される広告や新着記事が恐ろしい(無意識に影響を受けている実感があった)のと、秘密保護法やら、TPPやら徴兵制やら、よもやまあ、リスクとなることがこれからいっぱい。
と思っていたら、アメリカを告発したスノーデンさんもfacebookについて警告してくれたし、
時代の先を行く KNN神田さんも警告してくれたし、
もう、これはfacebookのやめ時だな、と思い至る師走っす。
ちなみに、1日の平均的なSNS閲覧時間は、78分だそうな。
何を隠そうわたくし、なんだかんだで毎日そのぐらい見てた自信がある。うぐぐ。
というわけで振り返ろう2014。
サヨナラ facebook。寂しくなんかないったら。
facebookの何が魅力だったか?
というわけで回想&改装モード。
わたくしの場合、必要を感じていたのは、
1.モバイルでも使えるチャット機能
2.ウォールでイベントや物品の共同購入のお誘いができたこと
3.ヨホ研記事の拡散場所
という順位かな、と。
1.のチャット機能は、8割がた、ほとんど同じメンバー10〜20人くらいとやっていたと思うのね。これが個別メールに切り替わったり、他のチャットサービスに変わってもなんら問題ないと思う。
2.のイベントのお誘い接点と、3のヨホ研記事の拡散は、あれば嬉しいけど、なければないでいいかなぁ。
というのもわたくしの場合、すでにヨホ研があるので、ヨホ研の記事を誰かが「いいね!」してくれたり、リツイートしてくれさえすれば、SNS上では広まっていくわけです。だからfbをやめたとしても、第一拡散者が自分からになるか、他の誰からになるか、くらいの違いかなぁ。他力本願になるけど。
ということを考えると、facebookである必要はさほどない。
うん、やめよう。I need 78分!
移行先に何を求めるか
ずばり、iOSで使えることと、
セキュリティ&情報に対する姿勢。
今回のような場合でのセキュリティって、わたくし専門家じゃないから詳しくはわからないけど、どういった技術を使ってます、というよりもどういう企業姿勢なのか、というとこだと思うのね。
たとえば、Appleの iMessageはとても強固な暗号化を使ってることがウリだったのだけど、どうもApple側からは、やろうと思えばやりとりしてる人たちの Apple IDやテキストを見れてしまうらしい。
それを聞いたときに「あー、Appleってそういう感じあるよね」って、わたくしは思っちゃうんだけど、それはつまり、そういう企業イメージがある、ということですよね。そういう会社は、わたくしは信頼しづらい。
さらに Appleには、スノーデンさんが暴露したNSA(アメリカ国家安全保障局)の情報監視システム『PRISM』による通信傍受に参加していた、という話(facebookも、skypeも!)もありますし、「iPhoneの電源を切っても、NSAの職員がマイクを通じて盗聴することができる」ということもありましたし。
・・・。
いやー、なんて世の中だ!
はやく森に帰りたい。
と言ってても誰も「オーム、森にお帰り」とは言ってくれないので、代わりとなるものを、あれこれ探してみましたよ!
今回紹介するサービスには、わざわざ「運営している我々も、ユーザーのやりとりは解読できない」と明記しているようなものばかり。明記していないものでも、商業一筋とはちょいと毛色の違うものを見つけてみましたとさ!
以下、
facebookからの移行にオススメのガチンコサービス4選!
『 Ello 』反facebookとして有名なSNS
Ello。日本語読みすると「エロー」。
ハロー?
エロー!
もうなんというか、これだけで
人を誘いづらいよね!(涙目)
日本語の響きなんて一切気にしてくれない、そんな Elloですが、
金輪際 広告を出さない事を名言して公益法人化、
広告以外の方法で採算を取るメドがあるそうです。
ついでにユーザー情報も売らないらしい。
ただしまだサービス自体はベータ版で、招待してもらえないと参加できず。
代わりに「招待の申請」はできるので、申請をして正座で待つこと2日間。開発メンバーからご招待いただけました。
意気YOYO!と使ってみると、なんと、、、
チャット機能がない!
あなや、と思ってあちらこちら見てみると
今後の開発予定に
Coming Soon
・@@ Private Messaging
・iOS & Android mobile apps
個別メッセ機能や、iOSとAndroid版は近いうちにできますよ、とのことでした。
2015.6/14追記
→ 2015.6/18 に出るってさ!
チャット機能を求めてるのに、チャットがないとはこりゃ残念。
elloの使用感は、140文字制限のないツイッターみたいな感じ。だけど、ツイッターよりワサワサしてないというか、落ち着いている雰囲気がある。
そして、今回の重要なポイントとしては、elloは広告も出さないし情報も売らないけど、強固な暗号化は備えていないもよう。ありゃー。
ただ、企業姿勢はおそらく誠実で、「About」のページには
『elloを良くするために、ちょっとだけユーザーの情報を収集しますよ、だけど、その機能はユーザーが自分で OFFにもできますよ』
という親切な一文もある。
Settingsの、Analytics を OFFにすると自動収集がなくなる
うーん、elloが整うのはまだ先みたいだいなぁ。
facebook以外で 至急 SNSをやりたいならアリかも。
わたくしはあってもなくてもどちらでも、という感想。
『 Bleep 』bittorrent社のP2Pチャット&通話サービス
ファイル共有で名を馳せた、bittorrent社のサービス、Bleep。
サーバーに情報を残さないらしく、とってもセキュア(セキュリティが高い)。
bittorrent社は、NSA(アメリカ国家安全保障局)に対して意見を表明したり、期待大なのだけど、、、なんとBleepは iOS版がない!
Win版、Mac版、Android版は既にあり、2014年9月の時点で近々iOS版が出るよ!と言いつつも、いまだ出ていず。ブラウザから使えるわけでもないので、PCがないとわたくしの場合使えない。うーん、惜しいけど今回は却下!
2015.6/14追記
→ 2015.5月中旬に出ましたよ!
『 Wire 』エンドツーエンドで暗号化しているチャット&通話サービス
スカイプの創業者の次なるサービス、wire。エンドツーエンド(端から端まで)で暗号化してあるらしい。
WIN、MAC、iOS、Android対応。
使ってみた感じは、
・オシャレ過ぎて操作が直感的じゃない
・画面のスワイプ入力がシビア
・まだ日本語にきちんと対応されていない。(改行ボタンで投稿になったり、本文の文字が切れたりする)
・Skype自体は、NSA(アメリカ国家安全保障局)に通話傍受の協力をしていた、という経緯がある
ので、あんまりいいことない、という感じ。
えーい次!
『 Gliph 』ユーザーの同意がない限り、一切のデータを開示しないチャットサービス
来た。
待ち望んでいたものが来た!
Gliphは、チャットオンリーのサービス。webブラウザ版、iOS、Androidに対応。
通信は完全に暗号化され、基本方針として、何をやるにもあなたの同意がなければやらない、というスタンスらしい。
(プライバシーポリシー https://gli.ph/privacy.html)
ビットコインと連動することができ、gliphme という機能を使うと、非gliphユーザーも登録せずに暗号化されたチャットができる、というスグレモノ。
ビットコインと連動するところが、サービスとしての性格を形作りそうだけど、まあしばらく使ってみよう。
シンプルで無駄がない。gliphmeも素晴らしい。
というわけで使ってみた&設定の要点に
行く前に、、、
おまけ『 SpiderOak 』Dropboxをセキュアにしたようなクラウドストレージ
SpiderOakは、DropBoxとほぼ同機能のクラウドストレージサービス。スノーデンさんのオススメ。初期設定で2GBのスペースがあり、すべての情報はユーザーPC上ですら暗号化され、運営会社はそのデータに一切関知しない、という企業姿勢。かなり良さげ。
ただ、設定が小難しいので、『Steppin’ out | Dropbox から SpiderOak へ移行する』 あたりをご参考に。
というわけで こちら から登録してもらえると、初期スペースが3GBになりますよ!(わたくしも1GBずつ増える)
一番気に入った Gliph を使い込んでみよう
gliphは、今のところ英語表示しかないので、PC版の部分部分の解説をば。
1.プロフィールの説明
gliphの設定は、右上の (名前)▼ をクリックし、
「Edit Profile」をクリック。
pseudonym(発音はスゥドナム : ペンネーム、雅号、偽名の意味)の欄に入れた名前が表示されるので、他人からわかりやすい名前を付けることをお勧めします!
やりとりはすでに暗号化されていて、充分セキュアなので、さらにここで偽名にする必要はないかなぁ、と。使い方にもよるけど。
fbのように一回変えると変えづらい、みたいなこともないので、気分や状況で変えても良いもよう。
各項目横の Publicは、初期設定で他人から見れる、
Privateは初期設定で他人から見えない。
ただし、gliphではすべてのチャット自体に設定があって、そこで
「この相手にはこの項目は見せる」という個別表示をすることもできる。
右上の丸いスペース、初期設定ではダイヤの絵があるところをクリックで写真選択。360px四方が選択できる最小サイズ。
それでプロフィール設定はほぼ終了。
外部サービスと関連付けたい人は、fbや twitterのユーザー名、bitcoinのアカウントを連動させることもできるはず。
Gliphと書いてあるところの記号は、初期の頃のユーザー名は記号だったらしく、その名残とのこと。詳しくはこちら。
2.お知らせメールが大量に届くのを防ぐ
やはり右上の (名前)▼ をクリック、「Account Settings」へ。
その中の、「Email notifications」をオフに。
そうしないと、チャットが送られてくるたびにメールが届いてしまい、メールボックスがGliphからのメールで埋まってしまう。
他の設定はお好みで。
3.facebookの「友達」のような概念はない
一度チャットした相手は connected と表示され、以後検索に引っかかるようになる。
ついでに、その人と共有してるチャットグループ名も相手のサムネイルをクリックして表示されるプロフ欄に明記される。
4.見せる情報は「facet」で決める
facet とは、宝石の切り面のこと。チャットウィンドウ右側の「Shared Facets」から、チャット相手に見せる自分のプロフィールを選ぶことができる。
5.gliphユーザーを探す
左上の方の +をクリック。
Add a Connection をクリック。
Find Someone on Gliph をクリック。
ユーザー名を入れる。ただし、このときに正確にユーザー名が合ってないと検索できない。pseudonymでは検索できない。
もしくは、「Find by Legacy Username」をクリックすると、いつぞやのプロフ画面で見た古代文字のような記号で検索することもできる。
今のところ、見つかったり見つからなかったり、トラブル多め。早くインクリメンタルサーチに対応してほしいなぁ。
2015.1/30追記
この古代文字は、Glipheが匿名性を研究した試行錯誤の変遷の名残とのこと。
ミュージシャンのプリンス気分を味わえるね!
↑プリンスの改名した名前
6.非gliphユーザーとも暗号化チャットできる「gliphme」
gliphme という機能がイチオシで、なんとgliphユーザーではない人とも、暗号化されたセキュリティの高い(=セキュアな)チャットをすることができる。
右上の (名前)▼ から、「GliphMe」をクリック。
Create GliphMe Link をクリック。
すると、Label(グループ名)を入力する欄が現れるので、適当に入力(後から変えられる)し、 Create をクリック。
試しに作った「むじゅん島合宿」の gliphme(グループチャット)。
そして発行されたURLにアクセスすると、
こんな画面。
非gliphユーザーであっても、ここで名前を適当に入れるだけでセキュアなチャットができてしまう。
ついでに メアドも入れておけば、チャットのリンクが送られてきて、中断してしまっても大丈夫、という仕組み。
試しに、非gliphユーザーの「にせテンダー」と、gliphユーザーの「テンダー」でチャットしてみる。
非ユーザー側の画面。
ユーザー側の画面。
実は、これはfbチャットよりもいろんなことができる可能性があって、この gliphmeアドレスをツイッターや、ウェブサイトで公開してしまえば、広く情報共有や意見交換ができてしまうわけですな。
2014.12/21追記:いろいろやってみたら、1対1でしかgliphmeはできないもよう。追って調査中!
2014.12/26追記:Gliphmeは、1対1でしか使用できない。これは、 Craigslist(仕事・不動産・モノなどの情報交換&売買サイト)のために作られた機能なので、1対1で充分とのこと。また、相手方がGliphアカウントを作らなかった場合、セキュリティのために24時間でこのチャットは消去される。
そして、チャットを消せば、どこにも履歴は残らない、というセキュリティの高さ。
うーん、素晴らしい。
素晴らしいですぞ!
と、絵文字も使えて
いいとこたくさんの gliphさんですが、もちろん問題もあって、
・iOS版は、ときどきローディング画面のままフリーズする。
(フリーズしたときは、ホームボタンを2度押し、Gliphの画面を上にスワイプして強制終了 → もう一度起動)・PC版のフォントが太字で読みづらい(疲れる)。
・iOS版とPC版の項目や仕様がやや違う(ユーザーネーム表記回りの問題など)
・ユーザー名は完全一致でないと探せない
・既読通知ナシ
・全部英語。
などが今気付いているところ。
運営はどんどん気付いたことやアイデアを送ってください、という姿勢のようなので、みんなで一緒に作り込んでいけたらいいね。
私たちの会社は小規模でプライバシーやお客様の個人情報の安全を第一に考えています。よって、我が社では出来る限りお客様のご要望にお応えし、皆様の望まれるような会社作りをするする為、お客様のアイデアやコメント等を心からお待ちしております。どうぞご気軽にGliphサポートセンター、又はTwitter (@gli_ph)までご連絡ください。
ちなみにわたくし、
「tender」で検索すれば出てきますので、
facebookを辞めてしまった以後も、御用のある方はそちらからもどうぞ。ヨホ研お問い合わせフォームでもありがたいです。
まとめと所感:何を大事とするか
SNSのセキュリティの話になると、「お前の発信する情報に機密的な価値なんてないだろう!」みたいな話になるんだけど、わたくし思うにそういうことじゃないんですね。
発信してる内容が機密かどうか、ということよりも、
自分の日々の活動や表現が、個性を無視された段階で商材として扱われることに対する拒否感がひとつ、
もうひとつは、facebook的なサジェスト(広告や関連記事のお勧めを表示する機能)によって、かなり「クリックさせられている」感覚を持つことが増えてきたのと、自分の知ってるニュースはみんなも同じ記事で知っていて、それってつまり、facebookに読まされている、と言ってもいい状況になってきたな、と思うようになりました。
自分にとっては、強い個性みたいなものを必要とされないプールの中で、その中にいてさえくれればそれだけで君は有価物だから、という姿勢の物は、やはり受け入れられないな、と思いを新たにしたさっこんです。
みんながシフトするべきだー!みたいなことは全く思っていなくて、「充分遊んだからもういいや」という感覚。
そんなこんなでfacebookでは、たくさんの方にフォローしていただいたり、お気に掛けていただいていたのですが、
まあ、その、、
辞めてゴメンね!
つづく!