海に潜るようになってから、夢を見るようになった


yume01

気付けば翡翠色の海の中から
水面を見上げていた。

今いるのは、水面がはっきりわからないくらいの深さ。
それでも見上げ続ける薄曇りの水面。
すると、何やら黒いものがゆっくりと落ちてくる。

ゆるやかに、まっすぐとこちらに何かがやってくる。

ひんやりした海水のなか、
まだまだ止めていられる息には余裕がある。
それでも酸素を使わないようにじっとしていると、
やってくる何かの細部がだんだんと見えてきた。

それはカヌーだった。

蔦や葉の細やかな装飾が入った、木造の古い、美しいカヌー。
ところどころに剥がれかけた金色の塗りが入っていて、とても丁寧に、とても愛されて作られたのだろう。

カヌーはこちらに船首を向けて、ゆっくり、滑るように沈んでくる。

翡翠色の海のなか、わたしはわずかに横にずれる。
一呼吸を置いて、目の前を大きな大きな古いカヌーが、海底に向かってゆっくりと沈み行く。

蔦や葉の美麗な装飾は、あたかも呪文のように眼前を通過した。

これでよかったんだ。

まるで生き物のようなカヌー。

これでよかったんだ。

最近見た一抹の夢。

去年から海に潜るようになって、
海に潜った日は夢を見るようになったことに最近きづいた。

びっくりされることもあるけど、この10年くらい、ほとんど夢を見なかったのに。

そしてカヌーの夢を見た。

オチも何もないのだけど、海に潜ると夢を見るもの?
これって潜る人の常識?

それともうひとつ不思議なこと。
もぐって見た夢は、起きても忘れない

なんだか、地球の深くに潜ることが、自己の潜在意識というものへの暗喩、もしくは相似象なのか?とかいろいろ考えてしまった。

今日は不思議なヨホ研。なんだかもやもや。つづく。


この記事の著者

テンダー

ヨホホ研究所主宰の、泣く子も訛る社会派ヒッピー。 電気関係、ウェブ、文章表現、写真、選挙、先住民技術、などが研究対象。 2016年のテーマは、持続可能性の本を書くことと、アウトフローを極めて綺麗にすること。

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