のぐち英一郎の鹿児島ガイド #5 「9月の議会で聞いたこと」
今年も終わりますなぁ、ということで、
毎度好評の のぐち英一郎の鹿児島ガイド。今回は2013年、最後の議会、12月議会に向けてのお話(総括)ですよ。
野口さん、12月ですね!こんにしわっす!
こんにしわっす。
あっという間ですねえ。
来週、12/9(月)に、
14:00から野口さん個人質疑ということで、
わたくし、市議会の傍聴に行くんですけど、
そこいらへんを踏まえて
野口さんが9月議会でした、質問の総括をしましょう。
ありがとうございます。
9月議会では、大きく3つのことを質問しました。
貧困対策のこと、学習支援、ソーラー屋根貸し事業のこと、の3つです。
(9月議会のようす。画質わるいぞ!って市役所に文句いいましょう)
貧困対策の質問
9月議会では、まず貧困対策のことを聞きました。
貧困対策として、ひとつには雇用の創出があります。
ところが、鹿児島市では市役所を辞めた方の再就職であったり、
天下りというものが非常に多いんです。
しかし、市役所を辞めた方しかできない仕事というのは
相当少ないだろうと私は考えていて、
今回は「貧困対策」という観点で質問をしました。
でも実際のところは、このことは行政改革としても、必要な話なのではないか、と思っています。
と言いますと?
ポスト(役職)をもっと開かれたものにしたいんです。
そのときに、行政を辞めた方を排除するのではなくて、
もちろん行政の方にも応募してもらっていいので、
公募をするなり、広く募った方がいいと思うのです。
昨今の雇用情勢の厳しさもありますし、
退職された年代の方だけではなくて、
若い方にも門戸を開けるような構造に変えていかないと。
ということは、実際はごく一部の人のみ応募できる、ということですね。
はい。
役職の募集の仕方を変えるべき、と思っているので、
天下りのことは、行政改革で質問することもあれば、
今回のように、貧困で雇用が厳しいから、という観点で質問することもあります。
なるほど
そして、ちょうど質問する数日前に、
新聞では昨年度の幹部職員の再就職状況みたいなものを公表をしていました。
このときの議会答弁では、
平成25年度には、新しい公募を16種、50人を出しました、と市役所は答えました。
しかし、「もともとあったポストの公募」に意味があると私は思っていて、新しく作った役職が公募ですよ、というのは、最初から公募で出来るようなもののわけで。
だから、市役所で抱えている再就職先の仕事場を、市場開放のように、鹿児島市の雇用枠としてもう少しこじあけていきたいんです。
そもそも再就職ではなく、誰に対してでもの就職先として。
ポストは多いんですか?
市役所から出向されるような役職は。
非常に多いです。
今は指定管理者というものを日本中、どこの自治体も入れていて、
施設の管理を任せるんですね。
例えば、シルバー人材センターというものがありまして、
そもそもそこが設立された当時は、雇用のことであったり、
お年寄りの暮らしの安定が目的にありました。
しかし、今では市役所からシルバー人材センターに最就職する、
つまり、シルバー人材センターに天下るというのが、時代状況からすると、多すぎる感があります。
へえ!
そういったところから、若年層雇用であったり、
老舗ではない団体への参入の余地を、
透明性を高いまま、いかに広げていくか。
ということを、今、考えているところです。
まあでも、雇う側からしたら、実績があるところが安心ですよね?
指定管理者の審査には、応募団体で点数をつけたりします。
そのときに、実績あるところは心得ているので、やはり上手です。
わざわざダメなところを優遇してもしょうがないですが、
そういうったことまで含めて、
団体に出す仕事であったり、
新規に出す仕事であったり、
公共が出す雇用の部分は、
できるかぎり広げることとともに、
「これまでの関係の延長線上に落ち着く」みたいなしきたりを変えていきたいと思っています。
9月議会では、そういう観点で質問しました。
なるほど。
逆に率直な質問ですが、
定年退職者の方が来るべき仕事、ってどういうものが想定されるんですか?
それって、定年退職というシステムと矛盾すると思っていて、
そうですね(苦笑)
定年退職の意味ないじゃん、って。
たとえば、地域福祉館と呼ばれる建物が市内に30数カ所あります。
そういうものの館長さんは、
常勤ではなくていい、という管理的なポジションなんですね。
しかし、そこには行政的な知識経験が必要、というように行政はおっしゃる。
でも、わたしからしてみると、それは大学新卒、高卒の方でも、
研修を詰めば充分に可能な職種では?と思うんです。
管理人さんくらいの業務内容で、
かつ、バイトよりはるかに給料がいい、という状況が天下りには多いんですよね?
そうです。
だからこそ、そのポストは、広く譲り渡してほしくて、
そもそもそのポストは必要なんですか?
その労働量とギャランティが見合ってない、ということは保留しながら?
ポストそのものが必要、というよりも、
わたしはそこは開放してくれ、というところで、
解放論者?
そうですね(笑)
今まで必要かどうか、というところまで想いを馳せたことはないですけれど、、、
今、鹿児島市の美術館長さんは、
市役所幹部の方が、下ったのか、上がったのか私にはわかりませんが、現状でしてらっしゃいます。
しかし、わたしは美術館の館長さんていうのは、
その分野のことをきちんとわかっている方を、
全国から募るくらいのことをしてもいい役職ではないか、と思っています。
そういう鹿児島市役所の、「鉄壁のピラミッド」と私は呼んでいるのですが、新規参入を求めもしない様子を変えていきたい。
広く、良い才能があれば、募集をかけて、採用していく。
そうなればいいのですが、現状では、呼びかけることもないので。
ふむ。
すごく、率直な質問をします。
60歳で定年するじゃないですか。
すると、年金受給開始の65歳まで現状では、とても就労が難しくなる。
そういう人たちに対しての社会的な保障というのは
退職金が充てられてる、と考えていいんですか?
そうですね。
あとは行政マンは60歳で定年、それからの年金開始までの5年間の話もあるんですが、退職金を、
うん、退職金。
退職金なり、稼いだ分が相当ある、
20代と比べたら、
よっぽどあるわけじゃないですか。
現状は、
それを資産として、あとは生きてってくれ、という社会なのか、
そのあとも年金という扶助がありますよ、という社会なのか、
社会設計としては、どうなってるんですか?
未だにわたくし、よくわかってないんですけど。
現時点では、65歳から年金という話ですから、
60歳で定年して、その5年間を働くのもひとつ、
退職金でやりくりする、というのもひとつでしょう。
ただ、一般的には、鹿児島市で公的なお仕事をされていると、
退職されたあとも希望すれば、何がしかの、、
へえ!働ける?
どなたにでも、なにがしかのお仕事が、
市の関連で?
はい。
関連するお仕事がいろいろある。
うおー。
市の公務員の退職金ていくらくらいなんですか?
どれくらいですかねえ。
2000万前後、と聞いたことがあります。
わたくし思うんですけども、
2000万前後で、
普通のサラリーマンって2億くらい、生涯で稼ぐのかな?
その上で、2000万もらって、かつ、それから年金。
そんなことしてたら、世の中回んないのは当たり前だと思ってて、人間が生きていく上でそんなに必要か?っていう観念はないのか?って小さい頃から思ってるんですけど、
・・・ないのか!
うーん。
どうすかねえ(笑)
おかしくないんですか?
その社会設計って。
いや、おかしいんじゃないですか。
おかしいですよね!
なんで誰も言わないんだろうと思ってて。
言わないですよね、みんな。
あとは、
公務員の給与水準って、民間の参考値になったりする、ということがあります。
民間が、ガーっとあがるときはゆっくり上がる、と言われていたり、こんだけ民間不安定だと、公務員高止まり、と指摘されたりもします。
それを下げるなり、崩すなり、
公務員の給与体系って何号で何級、みたいな、
給与の号と級ってのが、あるわけなんですけど、
へえ!
民間が厳しいから下げなさい、という話は、
もちろん特別職にも少しずつあります。
国の人事院が言ったから地方も見習って、とか。
今回は、国が給与を下げないと交付税を渡さない、とか
そういう引き換え条件を強引に出して、
やむを得ず下げた、という話なんです。
テンダーが言うのは、
そもそも日本人、いくらで生きていくかという議論が必要だ、という指摘ですよね。
いやあ、2億2000万円、稼いで足りないから
そのあとも仕事くれ、って、
無理言ってるよね、と思って。世界経済から考えたら。
そういう要求を持つ人が、
日本に、5000万人とか6000万人いるわけですよね、きっと。
そこらへんが今からフラット化にさらされていく中で・・・となりますよね。
生きていけないですよねえ、そんなこと言ってたら。
それが、突きつけられる、という距離に来るまでは、
なるべく見ないようにして、ということだと思いますけど。
いやあ、感慨深い。
つづきまして!
学習支援
学習支援は、モデル事業の応募も何度かしていて、
今年2013年・6月にこどもの貧困対策の推進に関する法律、というのが出来ました。
自立支援法もできますし、この法律ができれば、
おそらく新年度予算、来年2014年の3月議会にも
具体的な施策を出せるように思っています。
おー。進んでますねえ。
そして、その法律の中で、
NPOなのか、教育学部の大学生なのか、民間が関与できる余地があるのか、
なければ関与できるような枠組みに出来るように、
今後、引き続き働きかけていきたいんです。
今まで、鹿児島市では人材がいないからできない、と、
よく担当者から言われていましたので、
いなくはないですよ、ということを示せるように状況が整ってきました。
最近、野口さん追い風ですね。
苦節13年にしてようやく。
しかし、法が出来ても市は何でも見守ります。
学習支援に関しても、国・県の動向を見守りたい、と今まで一点張りでした。
「じゃあ、ぜひ見守って、動きがあれば即応してやってください」と、年明けの新年度予算議案・3月議会でも、状況を踏まえて言うつもりです。
そこから、この事業が始まりましたね、と具体的なことに繋げられれば、と思っています。
なるほど。
学習に関して、公教育以外の、塾とかじゃなくて、
もうちょっと複合的な学習みたいなものに、第三者が介入できる、というのはちょっと面白いな、と思うんですけど。
それは、フリースクールみたいなものの話?
フリースクールまでではないけど、
南さつま市・金峰町大坂(だいざか)の小学校で何かやらないか?という話を今いただいていて。
へえ!
まだ、何も決まっていないのですが、ぼんやりと思っているのは、
地域学習ではなく、地域で、地域を学習すると言うか、
地域の世界観を学ぶと言うか、
そういう形での学校です。
例えば大坂地区で東京を目指しても本当にしょうがないと思うから、
その周辺の環境でどう生きてくのが合理的か、というようなことを伝える学校が
出来たらとてもいいな、と思っていて。
そういうことに、公的に介入できるんだったらいいなあ、って思いました。
今は、学校支援ボランティアというのがあって、
地域の方が、学習補助がメインで、実技・実験系のお手伝いをする、というものです。
そういう形で、介入の余地が出てきているのと、
私、PTAしてて思うのは、学校の行事うんぬんには、PTAは入って行くのですが、教育のところは本当にノータッチなんです。
そういうところに、たとえば、サバイバルな火の文化だったり、野菜のことだったり、地域を学ぶなかで、
「なるほどうちの地域は、こういうことを知るのが必要な地域なんだな」とか、
その、成り立ちを知る、とか、生きるための何かを知る、とか、大事なことだと思います。
幅広い学習ができるといいですよね。
お金がある家の子は塾に行っていて、
そして学校側も、塾が前提みたいなところがあると、残念ながら聞くこともあります。
しかし、それは義務教育のやることを放棄していると私は思うので、放棄している状況を是正できないのであれば、塾並みの公教育を。
それもできなければ、塾前提とされているような教えられ方でほったらかしにされたこどもたちにはケアと、居場所と、教わったことが定着し、応用が出来るようになるまでの最低限の手伝いをするところから、と思っています。
テンダーが話したことは本当に必要で、
塾がどう、ということではなくて、
生きていくために必要なことを教える教育に転換する、転換というか、加える教育ですかね。
なるほど。
学習支援は進みそうで何よりですね。
最後、屋根貸しソーラー発電の話、
屋根貸しソーラー発電
太陽光発電の屋根貸し事業(大きな建物の屋根を、発電用に貸し出す事業)は、固定価格の買い取りがはじまってから、ソーラーバブルと言われています。
この質問の準備に取りかかっているときに、
薩摩川内市がはじめて、公共施設の屋根を貸します、ということを明言しました。
こういったような、自治体が公共施設の屋根を貸す、という取り組みは、私は日本中で、もうちょっとブームになってもいいかな、と思っていることなんです。
この事業に取り組む薩摩川内市は、ご存知のように原発のある自治体なんですけれど、
もちろん、本気の部分とポーズの部分があると思います。
けれど、薩摩川内では、次世代のエネルギーをどうするのか、
また、スマートシティ構想みたいなことも盛んに話し合われていて、日本中でも、いつまでも原発じゃないよね、ということは確実に言われている時代なので、そういう中で、こういう事業が出てくるのは率直にいいな、と思いました。
ぜひ、鹿児島市にも見習ってほしいと思っています。
薩摩川内は勢いがありますよね。
むしろ、こういう先見性のある事業は、鹿児島市に率先してやってほしいと思っています。
こういうときにこそ、大都市が出るべきじゃないかと思っていますが、鹿児島市はそこに大きすぎる弊害を感じます。
パッと決めてパッとやる、というのがほしいな、と常々感じています。
でも、鹿児島市も、「再生可能エネルギー推進課」を作ったばっかりなので、
そこは、誰にでも出前授業してくださるんでしたっけ。
誰でも。
今度、出前授業をしてもらうので、
話を聞きつつ、これはやらないんですか?も聞きつつ、
こういった芽を、盛り上げて行ければ、と思っています。
鹿児島は、小水力にも力を入れてますからね。
地熱もあるし、ソーラーもあるし、非原発エネルギーには向いてる場所だと思います。
政治でも、世のニーズだったり、普遍性がしっかりあれば、
進むことは進むものですが、
屋根貸しのことは、来年2年目、本格始動なので、
鹿児島市にも本腰を入れてほしいと思っています。
今日もありがとうございました。
この9月議会を踏まえた12月議会が、いつでしたっけ?
2013. 12/9(月)、
14:00頃から、市役所本会議場にて、あります。
平日ですが、ご都合つく方はぜひぜひいらしてください。
個人質問では、市の施設の、職員採用に関する異常とも言える無公募と無競争について、するどく質問するつもりです。
わたくしも見学にいきます。
ではまたまたー!
議会、傍聴のお誘い
というわけで、もしよろしければ、12/9、議会に傍聴に行きませんか!
議会は、議員さんが途中でおしゃべりしたり、寝てたり、立ち上がって外に行っちゃったり、学級崩壊か?とも思えるカオスな場です。野口さんも怒ったりするので、面白いですよ。
ぜひー。
野口英一郎
鹿児島市議。2000年に 28歳で初当選。以来4期当選、現在にいたる。
なかなかわかりづらい政治の話を、議員だからこそ知りうる内情も混ぜて、わかりやすく解説します。
趣味は、水泳と読書と料理(片付けは苦手)。
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