のぐち英一郎の鹿児島ガイド #3 「市議会って何するところ?」


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大好評&クラッシュの、
のぐち英一郎の鹿児島ガイドの第三回。

第三回は、9月から始まる鹿児島の「市議会について、わかりやすく」です。

「あの鳥、何かな?」
「えーとね、あれはね、ハトじゃなくて、タカじゃなくて、サギでもなくて、、、」
「シギかい?」


というわけで市議会。



テンダー
野口さん、こんちくわ。今日もよろしくお願いします。
というわけで、今日の、

ご趣味は?
野口さん
趣味!趣味と来るんだ!
まあ、趣味はもともと、水の中にいるのがすごく好きなので、
テンダー
水商売?
野口さん
水商売は飲みに行くだけなんですけど、
水泳をすることが好きですね。

あとは、片付けは得意ではありませんが、料理を作ることと、

本に没頭するのはとても好きです。

好きですけど最近、資料ばっかり読んでいるような気がしていて、
資料を読むのと読書と、もう少し分けられればな、と。
テンダー
思慮が深まりますね。資料だけに。
野口さん
そうだね。深くありたい。
テンダー
そんな感じの野口さん、
今日のお話は?
野口さん
もうすぐ9月議会が、、
テンダー
9月議会ってなんですか!


「9月議会について」


野口さん
自治体の議会は、年に4回あります。

まず、政治の世界も、4月に年度が変わるので、
2月には年度の最後の補正予算が、
3月に新年度のための予算が出てくる、という議会があります。

それが3月議会。

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鹿児島市は一般会計が2000億円規模なので、
それが議論のテーブルに出てきて
ああでもない、こうでもないとみんなで議論します。

この3月議会が、一番過熱する議会になります。
質問も予算関係のことが多く出てきます。

あとの時期としましては、
6月と、9月と、12月に、
それぞれの時期のことや、その都度の問題などを話す議会があります。
テンダー
おー、3の倍数だ
野口さん
そうですね。感覚として、季節に1回というところです。
日本中の、自治体の議会は、およそその時期に開かれています
テンダー
一回の議会は、どれくらいの長さなんですか?
野口さん
まず、毎日議会が開かれることはありません。

最初に議案が示されてから、
最終本会議で、そのことを議決をするまでに、
3週間から1ヶ月弱くらいですね。

その間ずっと拘束されるわけではありませんけど、
毎回、それくらいはかかりますね。
テンダー
議会は、やってて楽しいですか?
野口さん
楽しいばっかりではないですけども、
仕事としてこれからもやっていきたい、と思っています。

というのは、環境問題に関わる自治体の政策や、
福祉に関する政策。

そういうものに仕事として関わり、発言をし、改善をし、予算をより多く向けるように提言をすること。

それから、それはおかしいでしょ、ということであったり、
行政改革で進めたいことについて、行政に直接言える・反映される場所というのは、今の制度の中では、やはり議会、議員ならでは、のことだと思います。

なので、楽しいことも、やりがいを感じることも多いですね。
テンダー
笑いあり、涙あり?
野口さん
まあ、両方ですね。
テンダー
おお。笑うのはあんまり見たことないんですけど、議会で。
野口さん
議会ではそんなに笑えなくて。。
笑うときは、帰ってきて笑います。
テンダー
肩身が狭いですね。
野口さん
まあ、ひとつの議題が、良かったと思えるまでに、
短くて3年、ちゃんと進んだと思えるまで、5年くらいかかるな、ということを思っています。

5年前のことを、高らかに笑うということは、なかなか普通ありませんよね。
テンダー
高らかに笑うのは議員や権力者の特権かと思ってましたけど、
実際はそうでもないんですね。

はい、すいません、9月議会、でした!
で、その9月議会が?
野口さん
はい。
議会で、議員のできる個人質問には、30分 の使える時間があります。

その30分の中で、「こういう項目について野口は質問します」という通告の文書を、事前に市役所に出します。

この30分というのは、やりくりを上手に考えないとあっという間に終わってしまいます。

たとえば議会にて、

・こちらが質問をする、
 ↓
・役所の方が答えてくださる、
 ↓
・それを再度質問するのか、ここではこれ以上難しいな、と思って、議会外での活動で解決を目指す、など

臨機応変に考えを巡らせます。

その、緊迫する30分の中に、どれくらいの課題を入れるか、というのよく考えておくわけですね。

6月の議会が終わるときに、じゃあ9月にはこのことを質問しよう、ということをリストアップして、そのうちのどれが社会的に緊急を要するかみんなにとって大切なことか、という優先度を、だんだんと整理していくんです。
テンダー
議会は、なんで、話し合いじゃなくて質問なんですか?
野口さん
うーん。
本会議場では、市長側と議員側が、
大きな会議室に50人ずつが向かい合って座っています。

そういう中では「話し合い」というのは、やはり難しいように感じます。
関わる人数が多すぎますから。

なので、順番を決めて、
番の来た人が、聞きたいことを聞く。
それに対して役所が、役所側としての、見解を示す。

というのを、お互い時間も決めて、順番にやりましょう、という手順が「質問」と呼ばれ、今のやり方の中では、最善という風に考えられています。

それが仕組みとして、ベストなのか・ベストじゃないのかは、たえず考えて改善していく必要もありますね。
テンダー
うーん。不思議だ。
野口さん
やりとりを考えると大体、45分くらいから1時間くらいが、
ひとりあたりに、使われる時間です。

それが大体一日5人区切り。
午前中10時から議会がはじまって、お昼休憩までに2人。
昼13時から再開して、午後は3人という形で、
個人質問を3日組んだり、4日組んだりという風に
質問の日程は決まります。


質問が終わったら今度は、委員会になります。
鹿児島市議会は5分野に分かれていて、
委員会は、より話合いに近い形です。

そこでさらに内容を深めて賛否を取り、
委員会としての姿勢を決定します。

もちろん、その委員会に入っていないから、議会の賛否に関われない、というわけではありません。

委員会として、議案に対する賛成反対を決める
、という形です。

なので、委員会がどう決定しても、
本会議場は個人の質問の場であり、自由に質問をすることが保証されています。
テンダー
野口さん、その質問というのは、わからないことがあるから、
知るためにするプロセスですよね。

でも、行政というのはある程度開かれていて、
そもそも開示をする、というのが精神としてベースにあると思うんですけど、

それから考えると、現状は用件を満たしてないわけですよね。
行政側が、聞かれたから答える、という姿勢である点において。

で、そのことに対する、
議会としての動き、みたいなものはないんですか?
そもそも、質問をする前に、開示されているべき情報を、
毎回、議員さんが質問しなくてはいけない。
かつ、その答えは、議会の前に役所からもらっているんですよね?

なんだか不毛なように思います


「何のための質問か?」


野口さん
そうですね。
本会議場で交わす質問については、「通告」というものを事前に出します。

それについては、ほぼこういう風に答えるということが、
事前に議員側にも知らされているので、
そのことを揶揄して「セレモニー」と言われたり、
そもそもそれは本会議場でやる必要があるのか?という話も出ます。

また、議員の質問の在り方についても、
長年、いろいろな指摘だったり、批評はあるところです。

ひとつには、議会側にも行政側にも、
やり残していることはあると、私は思っていて、
テンダー
おお、なんでしょう?
野口さん
行政と議会の側について言えば、

行政にとって開示というのは、
言われたから見せる、というものだと思っているようなのですが、
本来はやはり、「提供」があるべき姿だと、私は思っているんです。
しかし、今のところ提供とはほど遠いので、はやく改善できるように、と私も働きかけています。

あとはパブリックコメント(いわゆるパブコメ)という、
「行政が意見をひろく、市民から募ります」ということを、やってはいますが、
実際は、かなり細かく作り込まれた計画段階になってから募集をする、という状況です。
それは、鹿児島市に限らずほとんどの行政で、そのようですが。

しかし、今の時代は、市民の方の情報レベル、個々の能力、提言をする力というものが、相当な高みにあると、私は感じています。

なので、行政はもっと早い段階からの情報提供と、作る途中からの、市民の参加参画。
むしろ、参加というより「参画」ですね。
作るところから一緒に作り、進めて、検証までできればいいな、と思っています。

そこには大きな税金を伴ったりもしますが、
そういった市民主導の街作りの上で、
ぎりぎりのところ、お金や、全体を鑑みて決めること、誰かそれで困らないか、だとか
環境や福祉の観点で、きちんと決める、というところに
議会の役割があれば、と思っています。
テンダー
なるほど。
小さな政府、小さな自治体、ということですね。
野口さん
なので、行政側にはもう少し、言われたから見せますよ、ではなく、

・ここに来ればいつでも情報があります、という
 直接の「アナログ」と、

昨今は、ウェブ技術が発達してきているので、

・ここに載せてますからご自由に、という姿勢の
 遠隔の「デジタル」。

その両方を充実することが必要だと考えています。


そうすれば、議会の場でも、
わざわざこの場で聞く必要があるのか?
という質問もなくなると思います。
テンダー
アウトプットは愛ですね。
質問に対する答えをもらっているのに、敢えて質問することはいかがお考えですか?
野口さん
はい。
私は質問の席で、行政の方に、事細かに数字を答弁していただく
ということを要求することがあります。

例えば、県立体育館のことなども、
自分が数字を調べたから、ただそれを議会で言うだけではなく、
行政の人にも、敢えて調べてもらう

時に、資料をそのまま提供してお伝えすることもありますけれど、
人の数だけ、情報の取り方も聞くところも違いますから、
市役所の人にも調べてもらって、「自分の認識」を持ってもらう

質問をする意味、というのは、そういうところにもあると思います。

こういうことは、議員になりたての頃は
よくわからなかったことです。
テンダー
おお、なるほど。
どんなことでも、言われるよりも、自分で考えて決める方が、
判断として強くなりますよね。
野口さん
そのためだけに質問しても、しょうがないとは思いますが、
質問をすれば、本会議の公的な記録として残るので、
今後のためにも、そのやりとりをきちんと残し、積み重ねていく、という意味もあります。

また、議員も市長も両方を経験された方に言わせると、

議員はすぐ、言質(げんち:言葉の人質)を取りたがって、
事細かにつっこむんだけれど、

首長の方は、言質を取られるようなことにへたに答えると、(それは答弁の、「てにをは」や「こそあど」によってでさえ)そこに予算をつけることを否応なしに迫られることすらあるので、答えたがらない。

自分が議員のときはもちろんガンガンつっこんでたけど、でもやはり自分が首長になると、ふわっとせざるをえないし、

どんなに事細かくやかましく言われても、もうなんというか「わかってくれよ」としか言いようがないようなこともある。


というようなことを教えてもらったことがあります。

テンダー
わかってくれよ、ってすごいですね。
演歌みたいだ。
野口さん
また、問題につっこんでいくと、どんどん専門的になります。

そういった専門的なことを、議会の場でやりとりして、
果たしてこれはみんなに伝わってるのかな?というようなことも、
ときにはあります。

聞いてる人は、わかって聞いてる。
答える人も、プロが答える。

なので、その双方では問題はありませんが、
他の議員さんや役所の方にも、きちんと伝わってるのかな?と思うことがあります。


本会議の質問は、インターネットで中継されてはいるんですけれど、
中継だけ聞いても、わかりづらいことが多いように思います。

議会の場だけではなくて、
せっかく中継をしているのだから、インターネットを通して
視聴している市民の方にも伝わりやすい質問ができれば、と
これは自分を戒める意味でも、思います。
テンダー
なるほどー!
考えることも、やることもいっぱいですな。
今日は、議会のことをお話してもらいました。

ちなみに野口さん、9月議会の個人質問はいつされるんですか?
野口さん
お、宣伝させてもらえるんですね。うれしいなぁ。

9月17日の11時から、市役所の本会議場であります。
入場無料で、どなたさまでも見学できますので、ぜひお越し下さい。
テンダー
そうそう、見学者さんが少ないと、寝てる議員さんとかもいますよね。
そこらへんも見どころですな。

というわけで、次回は「野口さんの本会議・個人質問でのとっておきの話題について」です。
お楽しみに!



野口英一郎
鹿児島市議。2000年に 28歳で初当選。以来4期当選、現在にいたる。
なかなかわかりづらい政治の話を、議員だからこそ知りうる内情も混ぜて、わかりやすく解説します。
趣味は、水泳と読書と料理(片付けは苦手)。
entaku.info




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この記事の著者

テンダー

ヨホホ研究所主宰の、泣く子も訛る社会派ヒッピー。 電気関係、ウェブ、文章表現、写真、選挙、先住民技術、などが研究対象。 2016年のテーマは、持続可能性の本を書くことと、アウトフローを極めて綺麗にすること。

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