消毒薬にサヨウナラ。UVLEDでの紫外線殺菌テスト。


uvled01

またしても、俊也シェフから「おかし」が届いた。
「おかし」表記で食用の虫が入っていた前回。ゆだんは KIN☆MOTSU!

やるときゃやる男、俊也シェフ、
やはり虫なのか!虫なのかー!!

べりべりべり(包みを破る音)

uvled02

どん。
おお、みんな大好き 紫外線LEDだ!

説明しよう!紫外線LEDとは!

太陽光に含まれている紫外線は、お肌のシミや、ガンの元、などと嫌われもしているけれど、実際は強力な殺菌効果を持っている光の帯域なのです。

主に400nm(ナノメートル)くらいから下の波長の光を指していて、ネイルをやる人は、ジェルを硬化させたりするのでおなじみですね。
あれは 405nm くらいの波長。

今回届いたLEDは、ごく最近になって開発された、DEEP UV LEDと呼ばれるもの。
今までは水銀ランプとかしかなくて、高くて環境負荷が高かった。

このLEDは波長が 280nmで、
300nm以下の光には超強力な殺菌効果がある、らしい。
前に UV LEDを日本で買おうとしたら、一個38,000円くらいした記憶がある。ぎゃふん。

紫外線殺菌については、ここの会社様の説明がわかりやすい。 → ユーヴィックス株式会社

というわけで、気の利いてる俊也シェフが、香港でゲットしてくれました。
一個 $48ほど。小売りはしないそうです。

・・・。
これは、、

joyfull
めちゃんこ嬉しい!

これがあれば、

uvled-bacteria
・水の殺菌(炭や砂で濾過しても菌は取れない。)
・傷みそうな食品の表面に照射
・怪我したときの消毒殺菌用の水の無害化に

使えちゃうわけです!たぶん。
加熱できないところに使える、菌に耐性ができない、というのがメリットですな。

とりあえず紫外線殺菌の現状をおさらいをしてみると、
μW・sec/cm2(マイクロワット・セック パー 平方センチ)という、耳慣れない単位が出てきたよ。

要は、何ワットの出力を、1秒間に1cm四方に当てるか、ということですな。
そう考えると、大腸菌の滅菌には、3,200μW・sec/cm2 必要らしい。

今回テストするのは、直径6cmのコップの水(高さ6cm)に 0.05WのUVLEDを照射。
0.05W = 50mW = 50,000μW。定数より照射強度が 5万倍強い、ってことですね。
直径6cmの面積は 28.26cm2、光はコップの底まで届くと大ざっぱに仮定して、
3200(定数)/50000(照射強度μW)× 28.26(面積cm2) = 1.80864(秒)

まあ、ざっくり、2秒2秒照射すれば、大腸菌がずいぶん減るはず。

uvled03

と、ようやくここで LEDに戻ってみる。すっごいちっちゃくプラス(+)が書いてある。データシートもざっくり。

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うーん。ニーハオメイヨー。

今回は、とりあえず 6時間に一回、2秒照射するようにしよう。
まったく未開拓の分野なので、さじ加減がわかんないぞ。
制御するのは Arduino。ようやく活躍する日が来た!

Arduinoが5V、UVLEDの順電圧が 4.98V20mAまで。経験上、とりあえずこういうときは半分の 10mAから。

LEDの電流制限抵抗は、いつもお世話になっているサイト様で調べる。http://diy.tommy-bright.com/

uvled-resist

必要なのは、ですな!

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[オーム、森にお帰り!]

ナウシカの気持ちになったら、Aruduinoにスケッチを書き込んで、

uvled-arduino

コンパイル!
「照射しないコップA」と、「UVLEDによる照射をするコップB」を並べて、

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完成!うわー。めっちゃんこ楽しみ。

黒潮農場の水は井戸なので、塩素が入っておりません。
この暑い盛り、3日もおけばへんな味がするはず。

それがどうなってるのかのチェックはもちろん、

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人体☆実験!

つづくー!(3日後に会おう)

おまけノート:90%殺菌に必要な紫外線量

μW(マイクロ・ワット)=1/1000mW=1/1,000,000W
この微量な単位の紫外線(1cm2あたり)x秒数で、
殺菌に必要なUV露光量(μW・sec /cm2)は計算します。

‐計算の例‐
1cm2あたり10μWの紫外線を、20秒照射で200μW・sec/cm2です。

<微生物と、90%殺菌に必要なUV露光量(μW・sec /cm2)>

Clostridium Tetani(破傷風菌) 12,000
Corynebacterium diptheriae(ジフテリア菌) 3.400
Escherichia coli(大腸菌) 3.200
Legionella pneumopila(レジオネラ) 1,000
Mycobacterium tuberculosis(結核菌) 6.000
Pseudomonas aeruginosa(緑濃菌) 5.500
Salmonella enteritidis(ゲルトネル菌) 4.000
Salmonella paratyphi(パラチフス菌) 3.200
Salmonella typhi(チフス菌) 2.100
Salmonella typhimurium(ネズミチフス菌) 8.000
Shigella dysenteriae(赤痢菌) 2.200
Staphylococcus aureus(病原性ブドウ球菌) 5.000
Streptococcus pyogenes(化膿レンサ球菌) 2.200
Vibrio comma(コレラ菌) 6.500

引用元: Mario Network(ピリオドとカンマが混在してるけど、全部カンマだと思う)


この記事の著者

テンダー

ヨホホ研究所主宰の、泣く子も訛る社会派ヒッピー。 電気関係、ウェブ、文章表現、写真、選挙、先住民技術、などが研究対象。 2016年のテーマは、持続可能性の本を書くことと、アウトフローを極めて綺麗にすること。